令和4年度木育推進員養成講座上級編を受講しました。
熊本大学教育学部教授の田口浩継教授、熊本ものづくり塾の原嶋友子塾長の元で木育推進員養成講座上級編を受講して参りました。
■主催
熊本大学・熊本ものづくり塾
■講師
⚫️熊本大学教育学部 副学部長
教授 田口 浩継先生
⚫️熊本ものづくり塾
塾頭 原嶋 友子先生
■主旨
熊本大学では、ものづくりを通して子どもをはじめとする全ての人が、木材に対する親しみや木の文化への理解を深めることを目的として、平成17年度よりものづくりフェアを開催しています。さらに、各地でものづくり教室等展開していくため、その推進役を担う木育推進員の養成を図ります。
■木育推進員養成講座上級編
◉木育を進めるための教授法の検討〜学びを支える教材・教具の製作と活用〜
〈主な講座内容〉
■木育推進員に求められる力
◉木育に関連する知識や技能
◉教授支援法
◉企画・運営力
◉普及啓発など
■木育推進員上級編について
◉木育の最終講座、免許皆伝
◉木育の教育的な意義や役割(教材・教具の定義や作成、開発能力の育成など)の再確認
◉木育推進員としての役割
◉具体的な今後の活動の検討
■具体的な内容
①気候変動や地球温暖化緩和を含む、地球環境保全など、森林が有する機能は、大気・水質・生物多様性・資源、文化・教育・保養やレクレーションなどと深く関わっており、全てSDGsと関連している。
②中でもSDGs.15.陸の豊かさを守ろう・・・森林に関連する事項では、
森林における生態系の保全、森林の回復、砂漠化防止なと持続可能な森林経営の推進について、及び、生態系がもたらすサービスについては、資源供給(食料、水、木材、繊維、燃料など)・調整作用(水質浄化、気候調節、自然災害防止・病害虫抑制など)・宗教、精神的価値などの文化・土壌形成、光合成による酸素供給といった基盤、について考える。
③木育の願いや伝えたいこと
・「生きる力」の育成
「知識を教え込む」から子どもが自ら学び考える教育への転換→「自己教育力の育成」(知識→知恵)
・体験的学習、問題解決的学習が有効、問題解決能力を育てる→学習の動機づけが重要
・押しつけられたものではなく自分が必要とするもの→魅力的で学びたい
・子どもないものを教えてやる→本来持っているものを引き出すという姿勢
・少なく教えて深く考えさせる教育
・まじめすぎるものが多く遊び心がない→おもしろい・ワクワクする
・「学ぶこと」は楽しくなければならない
・分からないから面白い
・自分で発見したことは長く記憶に残る
■教材・教具の作製
材料の性質・年輪数え用・かんながけのポイント・のこぎりびき角度・釘の保持力・かんながけ方向・曲げ試験器・合板の構造・年輪のでき方・木目のでき方・あさりの説明・組木贈呈など
■感想
まず、田口先生の講座冒頭で衝撃的だったことは、地球温暖化により、永久凍土が融解することで、太古の昔に生存し永久凍土に眠っているウイルスや病原菌が再び地上に現れるのではないかと懸念される、というお話しだった。
新型コロナと同様、有害な細菌・ウイルスや微生物が大気中に放出され、パンデミックを起こす可能性も否定はできない。
木育推進員養成講座を受講し、森林を通し自然環境や温暖化対策について、私たち一人ひとりにできることは何かを考えさせられた。地球に住まわせていただいているという感謝の気持ちをもち、どんな小さなことでも身近なところから輪をひろめる木育活動に繋げていきたい。パンデミックの意味は、ギリシア語で「全ての人々」という意味である。多くの人が同じような気持ちで地球を救うような世界的な大流行になるような取り組みを始めないといけない。
我々人類は地球という生命体のひとつに過ぎず、生態系の多様性の一種だという事に真摯に自覚すべきだと考えた。
私たち人間が天変地異や疫病、戦争や虐殺から学ぶべき教訓は、どれだけ技術的・医学的に進歩し経済が発展しようとも、人類は依然として自然や未知の病原体に無力であり、人の欲望は際限が無く愚かであり、とてつもなく脆弱であるということだ。
講座終了後の帰りのラジオでも、ロシア侵攻やテキサス州小学校銃乱射事件、日本の亜熱帯化のニュースが流れており、未来の地球のために何をすればいいのか、地球生命運命共同体として地球規模で考え、個人や企業など地域総掛かりで、人類のみならず、この世の全てに自分たちが出来る事の積み重ねの必要性を感じた。
株式会社きらら
代表取締役社長
楢木野 亮二